あとがき(という名の言い訳)
こんなところまで読んでいただいて、どうもありがとうございます。
この話は、本編中で描かれなかったユリウスにまつわるサイドストーリーです。
本編の第二部(夏休み〜文化祭編)の半ばから既に設定がネタ帳に書かれていたにも関わらず、今頃やっとお目見えです。
やはり、シリアスは熟成期間が…(^^;)
とにかく、設定にも書いてある通りユリウスの一人称は通常が「僕」でロプトモード(グレてる時)が「私」です。
そして、ファラフレイムの継承者ということになっています。
今回描かれたユリウスの葛藤って、もしかしたらそこら辺に居る非行少年少女に重なるかも知れません。
ちょっとしたことで「あいつは不良だ」って決めつけられて、家族からは腫れ物に触るように扱われて、その空気に抗うだけの強さがなくてヒネちゃったなんてところから深みにハマって行くんじゃないかなぁ。もちろん、そんな子も結構居るんじゃないかなってことだけど…。少年犯罪の調書見たり統計とったりなんて出来ないから想像だけどね。
でもね、精神的にまいってくると家族の愛情を確認したくなることってあるんですよ(- -;)
この話のユリウスがロプトウスの名に飲み込まれたのはアルヴィスの不器用さが原因です。
あの人は絶対にこういうことには不器用だと思う!!
アルヴィスって頭で動くタイプだと思います。だから、子育てに関してもマニュアル通りと言うか、どう接して良いのかのお手本がないから分からなくって戸惑って何となく避けちゃうってことになりそう。ああいう家柄だから実際の育児は乳母や教育係を付けて、とりあえず不自由なく過ごせるようにっていろいろ買い与えて。それでいいと思ってるタイプ?
とにかく、ユリウスが一番欲しかったものを与える術を知らなかったために、すれ違っちゃったり溝を深めちゃったりしたんですね。
ユリウスはイシュタルと違って恋人だけじゃ満足できなくて、親の愛も欲しかったんです。だって、イシュタルには親しい友人と可愛い従妹が居るけどユリウスには他に誰も居なかったんです。アゼルの子供であるティニーはユリウスにとっても従妹なのにイシュタルにしか懐かなかったし。媚び諂う取り巻き志願者は居ても、友人と呼べる存在には巡り合えなかったし。
それに本当にアルヴィスのことが大好きだったんですよ、ユリウスは。
それでは、ここまでお付き合い下さって本当にありがとうございました。