FEレポート(第1回)

LUNA: 只今、解放軍は敵の第一陣を破ったところです。
あっ、あちらにシャナン王子の姿が見えますね。行ってみましょう。
ラクチェ: シャナン様。今のうちに、バルムンクを修理されては如何ですか?
シャナン: うむ。
ラクチェ: どうぞ。修理代です。
LUNA: あっ、ラクチェがシャナン王子に財布を渡しています。
シャナン: いつも、すまないな。
ラクチェ: 気になさらないで下さい。
LUNA: いつも? シャナン王子はそんなに頻繁にラクチェに貢がせているのでしょうか?
ちょっと聞いてみましょう。(グイッ!ズベッ!)あきゃっ!?
スカサハ: ・・・。
LUNA: 何すんのよ、スカちゃん。
スカサハ: その呼び方やめてくれよ。
LUNA: そんなこと言うために、ひとの襟首引っ張ったの〜?
スカサハ: んなわけないだろ。とにかく、命が惜しかったら今のラクチェに近づくな。シャナン様とのツーショットを邪魔すると、流星剣が飛んで来るぞ。
LUNA: は〜い。それじゃ、君に聞こうかな。
シャナン王子ってラクチェに養われてるの?
スカサハ: わっ、バカ、声が大きい。ラクチェに聞こえたら殺されるぞ。
とりあえず、こっちへ。
LUNA: モゴ、モゴグォムグムググゴ〜(ちょっと、どこにつれてくのよ〜)
スカサハ: ふ〜、ここまで来れば大丈夫だろう。
LUNA: いったい、どういうつもりなのよ〜。
スカサハ: あんなとこで話を続けてたら、命がいくつあっても足りないんだよ。
もうちょっと考えて発言しろよ。
LUNA: で?
スカサハ: 確かにシャナン様は頻繁にラクチェからお金を貰ってるよ。バルムンクは修理代が高いからな。
LUNA: でもさぁ、よく、あのシャナン様が年下の女の子から頻繁にお金貰って平然としてられるね。
スカサハ: まぁ、そこはラクチェの口先三寸ってやつで・・・。
LUNA: 何、何?どうやって丸め込んだの?
スカサハ: お姉さん、何かすごく目付きが危なくなってるんだけど。
LUNA: そんなのどうでもいいから。ねぇ、どうやったのよ〜?
スカサハ: ラクチェはこう言ったんだよ。
『私の稼いだお金はイザーク王家のものです。ですから、それを国王が国宝の修理に使うことに何の問題もありません。』って。
LUNA: お見事!
スカサハ: だろ。シャナン様もあっさり納得されてさぁ、以来ラクチェのやつ堂々と「盗賊の剣」で稼ぎまくってるんだよなぁ。
LUNA: イザーク王国の未来は明るい、って言っていいのかな。
スカサハ: いいんじゃないの。少なくとも国庫が潤って税金は安くなりそうだ。
LUNA: そうだね。
ファバル: 何だ、スカサハ。こんな茂みに女連れ込んで、何やってんだ?
スカサハ: バカ!変な言い方すんなよ。
LUNA: あら、いっちゃんじゃない(^^)
ファバル: 何だ、あんたか。とっととその呼び方やめねぇと、撃つぞ。
LUNA: ははは・・・本気にしそう。
ちょうど良かった。君にも聞きたいことがあったんだ。
ファバル: 聞きたいこと?
LUNA: うん。でも、とりあえず、ここから出ようね。(ガサガサ)
スカサハ: まだ、ラクチェには近づくなよ〜。
LUNA: わかった〜。ありがと、スカちゃん。
ファバル: それで、聞きたいことって何だよ。
LUNA: 君って確か、ラナの恋人だったよね。
ファバル: そうだよ。
LUNA: 彼女ってお金かかるでしょ。まだ闘技場にも入れないし。
ファバル: まあな。
LUNA: で、君もイチイバルの修理代かかるでしょう。
ファバル: ああ。
LUNA: どうやって家計のやり繰りしてるの?
ファバル: ・・・
LUNA: ねえ、ねえ、教えてよ。
ファバル: どうだっていいだろ、そんなこと。
パティ: あたしが教えてあげる〜。
ファバル: ゲッ、パティ。どっから湧いた。
パティ: 失礼ね、お兄ちゃん。
レポーターのお姉さん。お金の話ならあたし達に任せて。
LUNA: あたし、達?
レスター: 俺も居るんです。
LUNA: あら、レスター。何で、あんたがここにいるの?
レスター: そりゃ、俺だって解放軍の一員ですよ。居て当然じゃないですか。
LUNA: いや、軍に居るのは当然なんだけど、走る弓兵のあんたが何でこんなとこに居るのよ。
レスター: ああ、それは・・・。
パティ: みんなの懐を温める為に決まってるじゃない。
レスター: そういうことなんです。
LUNA: 何でレスターが・・・あっ、「シーフの腕輪」!
パティ: えへっ、あたし達は自分の武器の修理代が安いからね。2人の稼ぎは殆ど皆のところに配れるの。ほら、お金の掛かる武器を持ってるくせに稼ぎの率が悪い人っているじゃない?
レスター: 我々の世代は、伝説の武器貧乏な人が出易いですからねぇ。
パティ: そうそう。お兄ちゃんみたいに、伝説の武器持ってるくせにお金の掛かる彼女を作るような身の程知らずもいるし。
LUNA: あのさ、パティ。その彼女ってレスターの妹なんだから、あんまり大声で言わない方が・・・。
レスター: 仕方ないですよ。事実なんですから。
パティ: 変に遠慮する方がおかしいよね。
レスター: ああ、特にお前の場合はな。
ラナ: ごめんなさいね、パティ。
レスター: ぅわっ、ラナ。居たのか?
パティ: ああ、気にしなくていいのよ、ラナ。お兄ちゃんが甲斐性無しなのがいけないんだから。
それに、半分はレスターが稼いだものなんだから遠慮なく使っていいのよ。
ファバル: さっきから黙って聞いてりゃ、言いたい放題言いやがって。
だいたい、あんたもさ、何でパティやレスターはまともな呼び方するんだよ。
LUNA: いっちゃん、妬いてるの?
ファバル: だから、その呼び方やめろってば。
ラナ: いっちゃんって、ファバルのことですか?
LUNA: そぅだよ〜、可愛いでしょ。
ファバル: 可愛いでしょ、じゃねぇよ。ふざけんな!
あれ?あんた、ラナのことは何て徒名で呼んでんだ?
LUNA: 聞きたい?
あのね、「杖振り女」(^^)
ファバル: 殺す!!
LUNA: きゃ〜、聞きたいって言うから教えてあげたのにぃ〜!
ファバル: 食らえ、母さん譲りのイチイバル!父さん譲りの連続&突撃!!
LUNA: きゃ〜きゃ〜、いっちゃんの怒りんぼ〜!
LUNA: ああ、酷い目に遭ったぁ。
これ以上のレポートは危険過ぎるので、また出直して来ます。それでは、また。
-End-

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